クー・シー

・ウルフ属 ・獣人型

○生息地…人里
○気性……素直、従順、献身的
○食糧……雑食、肉を好む。

○飼い主の男性と強い愛情で結ばれ、より主人に尽くす事ができる身体を望んだ飼い犬が、魔物の魔力を浴びて魔物となった獣人の一種。
 元は動物の犬であるため獣に近い存在で、全身が体毛に覆われている。
 
 主人の役に立ちたい一心で魔物化しただけあり、その忠誠心は極めて高く、彼女達の行動の全ては主人のために行われるといっても過言では無い。
 彼女達の優れた嗅覚は、魔物となる事で匂いのみならず、主人に迫る危険や外敵の向ける敵意までをも嗅ぎ分ける様になり、獣の強靭かつ俊敏な肉体であらゆるものから主人を守る。
 知能が高く主人の命令に忠実で、人間の道具や武器の使い方から、文章の読み書き、人間の味覚に合わせた料理を作るなど、教えれば大概の事はこなす事ができる。
 中には魔術師である主人のために高度な学問と魔術を修めたクー・シーも存在し、また、とある王族の主人により礼儀作法を仕込まれたクー・シーは、社交界で貴族と見まがう程の洗練された振る舞いを披露したという。
 この様に、ただの番犬にはおさまらない優れた騎士や従者としての資質を持つが、いくら尽くそうとも見返りを求めず、主人に褒められ身体を撫でられるだけで、彼女達は心底幸せそうな様子を見せる。
 そんな健気な姿に、主人の多くは彼女達を好んで傍に置き、普通の犬であった頃よりいっそうの愛を注ぐ様になるのだという。

 この通り賢く従順な彼女達だが、元が獣であるだけに、その実、強い獣性を宿している。
 魔物となる際に、主人に尽くせる様に作られた身体は、主人の子を孕むためのメスの肉体であり、主人の熱に触れ、匂いが鼻を掠める度に、その身体は歓喜と共に子種を欲して疼くのである。
 主人から求められれば、嬉々として身体を捧げる事だろうが、主人が望まない限り、彼女達から主人を襲う事は無い。
 たとえ、瞳をとろけさせ、だらしなく舌を垂らす盛りの付いた犬の様な表情を浮かべる程に情欲が膨れ上がろうとも、主人への忠誠心により、ひたすらそれに耐え続ける。 
だが、その意志に関わらず獣であるが故に、発情すれば身体はオスに向けてフェロモンを放ってしまう。
 フェロモンは主人のオスの本能に、いつでも交尾できる発情したメスが存在する事を訴えかけ、専用のメスの存在を認識させる。
 一度彼女達というメスを認識したオスの本能は、自然と彼女達への情欲をもたらし、メスを孕ませるために男性器をそそり立たせる事だろう。
 その様な状態で互いに我慢を続ければ、やがて情欲が理性で抑える事のできない獣欲となり、二人を二匹の犬へと変えてしまう。
 獣欲に支配された主人は、まるでオス犬の様にメスへと覆いかぶさると、言葉も忘れてメスの肉体を貪り、荒々しく腰を打ち付けて犯す事となるだろう。
 一方、メス犬である彼女達は、自身の全てが主人のために使われているという実感と、最愛のオスに身も心も支配される事に本能的な悦びを覚え、彼女達もまた言葉を忘れ、ただオスの獣欲を煽る媚びた鳴き声をあげて腰を揺らし、オスをより奥へと誘うのだ。 


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