ハーピー

・ハーピー属 ・鳥人型

○生息地…草原、山岳地帯
○気性……陽気
○食糧……雑食、木の実や野生動物など

〇女性の姿に鳥の様な大きな翼を持つ鳥人の一種。
 種類の多いハーピー属の中でも最も生息数が多いとされている代表的な種族で、様々な地域に広く分布している。
 彼女達の身体は飛行するために小さく軽いものとなっており、大きな翼を広げて空を自由に飛び回る。
 上半身は華奢な一方、足腰は強靭で、体格の良い人間の男性を脚に抱えた状態でも不自由無く飛行する事が可能である。
 明るく陽気な性格の彼女達は、人懐っこくおしゃべり好きで、山道を通る人間が居れば積極的に声をかけ、時には山道を案内してくれたり、荷物を運んでくれるなど親切にしてくれる事も多い。
 魔物との関係が進む親魔物国家では、ハーピー達が人や荷物の空輸を行う運送業を営んでいる事もあり、人間の経済や社会にも溶け込んでいる。

 この通り凶暴な魔物ではなく、人間の男性と積極的に会話や交流を持とうとするものの、普段は襲いかかり交わろうとする事は少ない。
 だが、発情期に入ってしまえば別である。
 発情期の彼女達はオスの子を孕む欲求に支配され、人間の男性を襲う典型的な魔物となる。
 発情した彼女達は、時として喧しくもある普段のおしゃべりの時の声色とは異なった、歌うかの様に美しく、艶やかな声を発する様になる。
 また、男性を見る目つきはまるで獲物を見る猛禽類の様に鋭いものとなり、繁殖相手となる人間の男性を見つけると、空から急襲して脚で捕らえ、そのまま飛び立って自らの巣へと連れ去ってしまう
 普段から彼女達と交流を持っている男性ほど、彼女達に好意を持たれ、繁殖相手と認識されている事が多く、襲われる可能性も高まる。

 彼女達の強靭な足腰は、一度男性を捕えれば、例え飛行中に男性が暴れようともがっしりと掴んで離さず、また、男性に跨れば、疲れ知らずで腰を揺らし続ける。
 彼女達の住処は基本的に高所に存在し、行き来するには彼女達の力が必要であるため、男性が自力で脱出するのは難しく、捕らえられた男性は繁殖期が終わるまでの間、彼女達の住処で交わって過ごすほかない。
 繁殖期が終われば元の明るく人懐っこい彼女達に戻るが、男性を見る彼女達の目つきや声色は、番いとなったオスに甘える艶を含んだものに変わっている事だろう。



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