パイロゥ
・サキュバス属 ・悪魔型

○生息地…火山地帯
○気性……強気、陽気、好色
○食糧……人間の男性の精

 火を操る悪魔の一種で、火山地帯を統べる上級魔族「バルログ」の眷属。
 その身に宿る炎の魔力は常に身体を火照らせ、いつもムラムラと性欲を滾らせている。
 快楽主義的かつ開放的な彼女達は人間の男性を見かけると淫らな行為に及びたがり、すぐ手を出そうとするため、好色な者の多いサキュバス属の中でも特に男性に対する積極性が強い種族として知られている。

 魔物らしく好色な彼女達だが、一方で目当ての男性に対して魔物らしからぬ気安く軽薄そうに思える振舞いや言動を取り、同様に男性の襲い方も他の魔物と比べて非常に「軽い」と感じさせるものである。
 彼女達は男性から向けられる欲情を目ざとく見つけると、気安そうに声をかけ交わりを想起させる言動や仕草をとったり、腕を絡めて身体を預け、服の上から男性器を指でなぞったりと露骨に交わりに誘おうとする。
 その誘惑はいやらしく性欲を煽るものでありながら、魔物が人間を襲う際の捕食者の様な獣性、妖女の破滅的な魔性といったものを一切感じさせず、さながら偶然通りかかった男性に小遣い稼ぎ目的で声をかけ、一発すっきりさせてあげようかと軽く誘いかけているかの様な気安さである。
 彼女達の纏うこの雰囲気は、男性に彼女達とならば気軽に交わりと快楽が愉しめると錯覚させるものであり、その提案に乗ってしまえば彼女達の夫として半永久的に精を搾り続けられる関係になるとは夢にも思わないだろう。
 
 実は彼女達、この様な誘惑を行う際には獲物に対し「火を灯す力」を使っているのだが、急激な変調や衝動が表れるものではなく、ほとんどの獲物は自身の変化に気付く事ができない。
 心に火の灯った獲物は熱に浮かされる様な感覚と共に気分盛り上がりやすくなり、ふとした事で気が大きくなってしまう。また性欲も昂りやすくなってすぐにムラムラとしてしまう。それは度々欲情や勃起を催させ彼女達が声をかける口実を作り出す。
 加えて、そんな状態で眼の前に現れる「気軽に欲望を発散する相手にしても構わないと思わせる魔物」の存在が、獲物を大胆で開放的な気分にさせる。
 いやらしい眼でじろじろ見つめ、おもむろにお尻に手を這わせて宿へと誘う、普段ならばそんな破廉恥な行為は決してしない誠実な男性や臆病な男性であっても、燻っていた炎が燃え上がるかの様に「彼女達であれば」と手を出してしまうのだ。
 「火を灯す力」は、彼女達の身に宿る炎の魔力からなるものであり、交わりによって繋がる事となれば当然、影響はより強いものとなる。
 一度交われば、何かのきっかけ、例えば彼女達の軽い目配せや触れられるだけでもすぐに性欲の火が灯る様になり、一度ついた火はいつまでもムラムラと燃え続け、それは彼女達の身体で発散される事となるだろう。そして、気軽に発散できる彼女達の存在が繰り返しに拍車をかけ、彼女達との交わり無しではいられなくなっていく。
 
 この通り、彼女達は男性の興奮や性欲に火を着け、その火力を自在に高める事ができる。
 すなわち彼女達はお目当ての男性が自分に欲情する様に、自分から手を出してくる様に仕向ける事ができる。つまるところ彼女達に声をかけられた、もしくは声をかけてしまった時点で結末は決まっていたのだ。
 軽く一発だけ、一夜限りの関係を、そんな危険の無い火遊びの相手の様に思えるのは見かけだけの話であり、一度小さな火が付けばあっと言う間に全身に燃え広がり、焼き尽くし搾り尽くして逃がさない情念の炎の塊が彼女達なのだ。



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