バジリスク

・ラミア属 ・爬虫類型

○生息地…洞窟、砂漠地帯
○気性……冷静、陰気
○食糧……肉食(野生動物など)

○女性の上半身と蛇の下半身を持ち、身体の一部が鳥の羽毛に覆われているラミアの一種。
 気性は大人しく物静かで、男性を襲う事に消極的どころか、あまり人間に近寄らず、人気の無い静かな場所に生息している。
 
 彼女達は、その視線に晒されるだけで毒に蝕まれる、恐るべき蛇毒の魔眼を持つ。
 その毒性は極めて強く、獲物は全身が弛緩し身動きが取れなくなると共に、魔物が発情した際の火照りと同等とされる程の恍惚を伴う発熱を引き起こし、思考がおぼつかなくなってしまう。
 更には、獲物の体内の精を変質させる。
 変質した精は、非常に体外へと排出されやすいものとなり、外に溢れ出ようと男性器をはち切れそうな程に勃起させ、少しの刺激で堰を切ったかのごとく精を放つ様になってしまうのだ。
 それに伴い、魔物の魔力を体内に取り込みやすくもなるため、極めてインキュバス化や魔物化を引き起こしやすい状態となる。
 加えて変質した精は、バジリスクの蛇毒と同様の毒性を持ち、新たに生み出された精をも、自身の身体を侵す毒へと変えてしまう。
 そのため、解毒をするには身体の毒を全て吸い出される、もとい魔物の手により一度身体の精を全て吸い尽くされなければならない。
 バジリスクの猛毒は、旧魔王時代においては一睨みで人間を死に至らしめる程のものであったとされている。
 魔物が人間の命を奪わなくなった現在でも、解毒のために人間が精を吸い尽くされれば、確実にインキュバスや魔物へと変わってしまうため、一睨みで人間としての生が終わってしまう事に変わりはないだろう。

 この様に、強力な魔眼を持つ一方で、彼女達自身にもそれを上手く制御する事ができない。
 そのため、常に仮面などで顔を隠して魔眼の力を封じ、遮られた通常の視覚の代わりに熱感知と魔力探知を視界代わりにしている。
 仮面には彼女達が男性を視認してしまわない様にする役割もあり、もし、彼女達が直接、人間の男性を目視してしまえば、彼女達は男性へと向ける恋慕や情欲を抑える事ができなくなり、我を忘れて男性に襲いかかってしまう事となる。
 露わになった魔眼は、制御できずとも魔物の本能に従い、無意識のうちに男性に猛毒の視線を向ける。
 彼女達に捕食されるのを待つだけの獲物となった男性の身体に蛇の下半身で巻き付き、女体を絡めて身体を密着させると、精を搾り尽くし毒が抜けるまで、長く執拗な交わりを行う。
 密着させた腰に精が放たれる最中、彼女達はラミア属らしい執着に満ちた魔眼で、獲物から夫となった男性を見つめ続ける。
 そうして、夫の身体を愛の込められた蛇毒で満たし、絶え間なく彼女達の中へ精を注ぐ快楽で蝕むのだ。

 危険な魔眼を持つ彼女達だが、不慮の事故さえ起きなければ、幸い彼女達が自ら仮面を外す事はほとんど無い。
 仮面を外し、我を忘れてしまう前ならば弱点もあり、男性の体臭を間近で嗅いだり、男性に耳元で囁かれると、力が抜け、真っ赤になってへたり込んでしまう。
 彼女達曰く「仮面をつけている状態では刺激が強すぎる」そうだ。



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