ボギー ・オーガ属 ・鬼亜人型
○生息地…不明
○気性……陽気、意地悪、献身的
○食糧……肉食。野生動物など
道化の様な風貌と赤い魔力の雫が滴る白い指を備えた異様な姿の魔物。その存在は親が子供に言い聞かせる「悪い子は鬼がさらいに来る」伝承として伝えられ、我侭な子供、悪さをする子供の元に現れるという。
男性を襲う際はおどけた態度で、さも獲物が「客」であり自身が今から演目を始める「道化」であるかの様に振る舞う。
大仰な仕草とよく回る口から発せられる全ての言葉はどこか挑発的かつ蠱惑的で、前口上を聞く者にこれから楽しい事が始まる、もしくは恐ろしい事が始まる予感を抱かせる。
そうして期待と恐怖を煽り膨らませた後、彼女達は愉快げに男性器を白い手で扱き、跨る肢体をしなやかに躍らせる演目を始める。それに獲物が為す術なく精を放てば、その射精こそが最大の見せ場であるかのごとく大げさにはやし立て褒め讃えるのだ。
搾精は暴力的ではなく、何をおいても獲物により愉しく気持ち良い射精をさせようとするが、にも関わらず襲われた男性はひどく怯えている反面、再びそれを望むという極めて混乱した状態にある事が多い。
これは彼女達が人間の感情を煽り露出させる力を持つためである。即ち、彼女達の前では誰もが「子供」の様に素直に感情を見せ、彼女達が「喰べちゃうぞ」と怖がらせれば、まるで絵本の悪役の様にわざとらしくとも、子供はもちろん大人であっても泣きそうになる程に怖く感じてしまうのである。
この力により道化の姿と搾精の困惑が必要以上に恐怖を煽る一方、一見して小馬鹿にしている様にも思える射精の際の彼女達の行動が獲物に強い肯定感を与え、再びそれを求めさせる。
獲物は演目が終われば解放されるが、望むと望まざるとに関わらず再び彼女達は現れ、演目の頻度や過激さは日増しに高まっていく。やがて夢にまで見る様になり、彼女達は獲物にとって恐ろしい存在でありながら肯定と悦びを与えてくれる「絶対的な存在」となっていく。
そんな存在に肯定される悦びに骨抜きとなった獲物は、さながら子供にとって絶対的である母親に身も心も委ねるかの様に、問われるまま心の内を吐露したり「良い子にしていれば次はもっと愉しいコトをしよう」と甘言を囁かれ、言いつけを必死に守ろうとするだろう。この様に獲物を素直な「良い子」にしてしまうのだ。
なお、彼女達が獲物と認識する「子供」とは人間の価値観における子供とは異なり、容姿や実年齢は一切関係なく、その力故に数多の悪党を率いる老齢の大悪党であっても彼女の前では獲物となる「子供」に過ぎない。
実際のところ、彼女達は悪さを咎める親のいない子供や、咎める事もしない親元の子供、最早自分を省みる事のできない大人の男性の元に現れ、伝承を聞かせて子供に言い聞かせる様な善良な親から子を奪う事は無い。
彼女達が元より悪人ではない男性の前に現れた場合は純粋に相手を愉しませる事だけを目的とする道化として振る舞い、子供たちを普通の手品で楽しませる様子も見られる。
善良な男性に好意を向けられ自身が望まれたのであれば、喜々としてその身を捧げ、専属の道化として夫を気持ち良く愉しませる為に手を尽くす献身的な伴侶となってくれる。
ただし、夫を最大限に愉しませようとする行動には際限がなく、加えて彼女達は意地悪な性格である。その献身が夫の言う事にそのまま従うという形で発揮される事は少なく、彼女達との生活では予想のできない驚きと、とてつもない快楽が降り注ぐ日々となるだろう。
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