カースドソード
・剣魔属 ・魔法物質型
○生息地…遺跡、古城などの古びた建造物
○気性……凶暴、素直、献身的
○食糧……人間の男性の精
○魔剣に魅入られ魔物となった元人間の女性。
数世代前の邪悪な魔王により悪意を込めて作り出されたこの魔剣は、かつては手にした人間を狂わせ、仲間をも斬り殺す殺戮者に変える恐ろしいものであった。
だが、現在は魔物達の変化に伴い性質が変わり、魔物達が使う「魔界銀」の武器と同様に、斬った相手の「肉体」ではなく「魔力」に傷を負わせ、命を奪う事は無い。
傷口は痛みの代わりに熱を持って疼き、血の代わりに体内の精が漏れ出し、入れ替わる様に入り込む魔剣の魔力が犠牲者を魔物へと変える。
かつての危険性から現在の魔王により各地に封印されていたが、時と共に封印が弱まり、その多くが盗掘者に持ち出されている。
手にする前の魔剣は一見して普通の剣であり、迂闊に手に取った者に寄生して徐々に肉体と精神を蝕み、人を斬らせる事で精を啜り強く禍々しく育っていく。
始めは気分が高揚し、好戦的になる程度の小さな変化だが、少しずつ魔剣の影響が強まり、人間を見ると魔剣で斬りたいという衝動にかられる様になる。
魔剣に宿る古い魔王の力は手にした者に人外の力を与え、例えただの村娘であろうと、恐るべき魔剣士へと変えてしまう。
魔剣で人間を斬れば、犠牲者が魔物化する際に伴う、人としての枠を壊してしまう快楽が装備者にまでもたらされ、その快楽を求め自ら進んで魔剣を人間に向ける様になるだろう。
人を斬る度に絶頂と共に魔剣との同化が進み、攻撃性を開花させていく。
やがては自身と魔剣の存在を同一視する様になり、魔剣の持つ欲望は自身の欲望となる。
目についた全ての人間を斬り魔物へと変え、精と快楽の飛沫を浴びる彼女達の顔には、恍惚とした虚ろな笑みが常に浮かんでいる事だろう。
魔剣そのものと化した彼女達は己の衝動を律する事は無い。人を斬る事で快楽を得る一方、その度に満たされない感覚を覚え、更に強く湧き上がる衝動は男性へと向けられ、気に入った男性を見つければ斬りかかり犯してしまう。
だが、一方で夫と認識した男性の腕に抱かれたり、頭を撫でられると、普段の苛烈な姿が嘘の様にうっとりと身体を委ねて大人しくなる。
魔物のメスにとって夫との交感は、人を斬る快楽とは比べ物にならない、何よりも気持ち良く満たされるものである。
夫は彼女達にとっての鞘であり、小まめに触れ合い身体を重ねる事で、空虚であった彼女達の愛欲が満たされ、攻撃的な衝動が現れなくなるのだ。
律する事の無い攻撃衝動は、律する事の無い愛情表現に変わり、常に夫に擦り寄り甘え、口を開けば愛を伝え、交わりをねだる。
また、彼女達の魔剣としての意識が夫を「主」として認識しているため、剣の鋭い攻撃性だけではなく、己の全てが夫のために存在しているといわんばかりの献身性も備え、魔剣の身体で夫の敵を排除し、女性の身体は夫に捧げ悦ばせ様とするだろう。
ただし、長く放置されると、満たされない彼女達は再び「抜き身」となり、夫を犯そうと斬りかかる。
だが、その様子は攻撃衝動というより、ただ夫に構って貰えずに拗ねただけの様にも見える。
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