グリーンワーム

・ウォーム属 ・昆虫型

○生息地…平原、森林
○気性……単純、温厚
○食糧……草食、野菜や果実など

○ぷにぷにと柔らかな緑色の身体を持つ芋虫の魔物で、蝶の魔物「パピヨン」の幼生体。
大人しい種族で知能が低く動きも鈍いが、危険が迫ると頭頂部の触覚から、嗅ぐと気が抜けてしまう不思議な匂いのする分泌液を滴らせて外敵を無力化する。
 この種族は、成体となるために必要な多くの栄養を得るための「食事」に特化した形態である。
 いつもお腹を空かせている彼女達は、食料となる野菜や果物を見つけると普段ののんびりとした様子が嘘の様にかじりついて離さず、一日中でも夢中になって食べ続けている事だろう。
 一方で、気に入った人間の男性を見つけても、男性の身体によじのぼり、くっついていようとするくらいであるため、基本的には危険性の低い魔物である。

 ただし、十分な栄養を蓄えた個体は成体への成長に向けて、その性質に変化が現れる。
 男性へと向ける関心が飛躍的に高まると共に、触覚から滴る分泌液の匂いが男性を誘引するものに変わるのである。
 これは彼女達が元々持っている分泌液に、それまでに食べた野菜や果物の匂いが体内で調合されたもので、特に魔界の作物を好んで食べた個体の分泌液はより濃密で甘い香りとなって、より強く男性を誘引する様になる。
 これにより、男性を誘い寄せて組み付き、下腹部に備わる女性器で男性器を咥えこむと、繋がったままの状態で自身の周囲に分泌液を固めた殻を作り、その中に男性ごと閉じこもって「蛹」の状態となる。
 彼女達の食欲は、向ける対象が食べ物から男性へと変わった後も健在で、ゆりかごの様な蛹の中では常に男性と繋がりっぱなしで、離れる事無く交わり続ける事となる。
 この「食事」の瞬間のためだけに特化された彼女達の身体は、ぶにぶにと柔らかく、咥え込んだ男性器を圧迫する肉の塊であり、下半身全体を用いて芋虫が地を這うかの様に伸縮を繰り返し、絶え間ない快楽を与えて精を搾り続けるのである。
 また、彼女達は交わりの最中に、口移しで男性に自身の分泌液を飲ませるという。
 この分泌液には蛹となるまでに蓄え続けた栄養が凝縮されており、蛹の中で過ごす間の男性の為の食事であり、生命を維持して肉体を健康に保つと共に、疲れ果てる事なく交わり続ける事ができる活力と精力をもたらすものである。
 加えて、嗅ぐと気が抜けてしまう作用も残っており、男性はその匂いを感じ取る度に下腹部から力が抜け、だらしなく彼女達の中へと射精してしまう事となるだろう。

 「蛹」の形態となった彼女達は、その中で時間をかけて肉体を成体へと変化させていく事となる。
 これを夫となる男性の精に満たされながら行う事で、夫に孕まされるための最適な成体の身体を作り上げると共に、夫にもつがいとなる彼女達の肉体を覚え込ませる。
 そうして蛹の中で交わって過ごす内に、彼女達は美しい「パピヨン」へと成長し、その虜となった夫と共に、夫婦で羽化を遂げるのだ。



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