フーリー

・天使属 ・天使型

○生息地…天界、人里
○気性……陽気、穏やか、献身的
○食糧……人間の男性の愛

○愛の女神「エロス」に仕える下位の天使。愛の天使である彼女達の心は溢れんばかりの愛で満ちており、性格は優しく親切で気立てが良い。 その美しい姿と心のみならず、唾液や汗等の排泄物に至るまで、彼女達を構成するすべてが清らかであるという。

 彼女達は天界から人間達の様子を伺っており、男性の愛されるべき美点や善行を見出すと共に、まるで恋する乙女であるかの様に未来の伴侶へと向ける愛を膨らませ続けている。女神の命により地上へ降り立つ事となれば、その男性の妻となって身の回りの世話を行い、それまで育んできた愛のすべてを捧げるのである。
 「善き行いには良き愛を」という女神の教えを体現するかの様に、彼女達の言動と奉仕は一つ一つが献身的で夫への愛と心遣いに溢れる理想的な伴侶のものであり、夫はそのあまりにも濃密な愛情表現にあてられ、常に甘く幸せな気分に包まれるという。
 愛を求めても得られない男性を救うために遣わされる事もあり、愛の女神に救いを求め、その信仰の元で善行を積む男性信徒も多い。

 愛の天使である彼女達にとって、互いの肉体と愛の交感である性交は最も尊ぶべき行為のひとつであり、彼女達と共に浸る甘い生活の中では、どちらからともなく互いを求めあい、交わる事となる。
 彼女達は「永遠の新妻」であるとされており、夫に愛を捧げ、夫の愛を浴びるための肉体は、常に瑞々しく何度交わっても新鮮で飽きる事の無いものであるという。
 また、肉体面のみならず精神面においても、彼女 達の愛と交わりに倦怠の文字は無い。夫に対しては常に情熱的で、例え交わる事が日常になろうとも、彼女達の中で愛する男と結ばれる事への歓喜と恍惚は、まるでそれが初めての交わりであるかの様にもたらされ、胸の高鳴りと恥じらいが同居する生娘の振る舞いを見せるだろう。
 夫もそれに当てられるかの様に、交わる度に初めて彼女達を抱くかの様な興奮に見舞われる。彼女達との生活に置いて、夫婦の間に漂う甘い空 気が消える事は永遠に無いのである。

 善行を積んだ男性に惹かれやすい彼女達だが、時として複数のフーリーが同じ男性を愛する事があり、とある聖人と呼ばれた男性の許に72人 のフーリーが嫁ぎ、男性器が乾く間も無い生活に浸りながらも、善を成し続けたという記録が残っている。

 また、強い愛を抱きながらも、それを想い人に伝えられぬまま死んだ女性や、愛する男性を残して死別した 女性の魂は、愛の女神の手によりフーリーに転生する事があるという。
 彼女達は前世の記憶を持ち、愛の天使となる事で深みを増した愛を胸に生前から想いを寄せる男性の許へと向かうのだ。

 なお、彼女達は魔物ではなく、れっきとした神族である。 「エンジェル」等と同様に魔物化した個体も存在するが、魔物化してもし なくても生態が大して変わらないため、区別されない事も多い。  
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