一旦木綿(イッタンモメン)

・一反木綿属 ・魔法物質型

○生息地…ジパング地方(人里や街道)
○気性……気まぐれ、感情表現に乏しい
○食糧……人間の男性の精。

○ジパング地方に生息する木綿の様な身体を持つ奇妙な魔物。
 主に夕暮れ時に現れ、ひらひらと空を飛んでいる。
 人間の男性を見ると襲いかかる事もあれば、空の上で飛び回るだけだったり、何かに引っ掛かってぼんやりとしていたりと、いまいち何を考えているのかわからない。
 
 気まぐれに男性のもとへと飛来すると、布の身体を巻き付けて拘束し、交わろうとする。
 一見すると薄い布の身体しか持たない彼女達だが、何かに纏わりつき、貼り付く布は、その向こうにある艶めかしい女体の線を浮かび上がらせる。
 その向こうには何も存在しないはずなのだが、布越しに触った際の指が沈み込む感触は、たしかに柔らかな女性の肉体が存在する様に感じられるだろう。
 これは、あくまでも布の身体と魔力を用いて、女体の弾力や感触、質量などを再現したものであり、彼女達は自身の布を魔力に巻く事で、器用に肉体を作り出す。
 そのため、彼女達の感覚器官などは本来の身体である布の部分に存在する。
 布の身体は通常の女体の様に部位ごとの機能や感度の違いは無く、
 布を巻いて作り出した女体は、女性器、口部、胸部、臀部はもちろんの事、顔や髪、腋、ヘソ等に至るまでの全てが、男性に快楽を与えるための搾精器官であり、男性と愛し合うための性感帯なのである。
 彼女達の夫となった男達が、思わず頬ずりしたくなる感触だと口を揃える極上の肌触りを持つ布は、男性を愛撫する事でその本領を発揮する。
 身体を擦れば、通常の布や人肌とは異なる、柔らかくなめらかでありながら、時折引っ掛かるかの様な感触が刺激を産み、男性の身体に快楽をもたらす。
 通常の女体であれば女性器のある部分、まるでそれが存在するかの様に、三角の皺を形作る箇所に男性器を挿し込めば、布越しであるにも関わらず、熱を発し湿りを帯びた布にずぶりと男性器が沈み込んでいく。
 咥え込んだ布が男性器に併せて形を変えると、腰を揺らすと同時に、包み込んだ布で自由自在に擦り上げ、膣での搾精と愛撫を同時に受けるかの様な二重の快楽に、男性はたちまちに精を吐き出し、彼女達の布を白濁で汚してしまう事になる。 
 布であるが故に、彼女達の身体には容易く男性の精が染み込んでいき、布のどこであっても、身体のどこであっても、精を極めて高い効率で吸収する事ができる。
 そのため、夫に布の身体を巻き付けて幸せそうに眠っていたり、布の端だけを夫に括り付けてゆらゆらしていたりと、抜けた姿を見せる彼女達が、幾度となく夫と交わる事で高い妖力を備えた、見た目にそぐわぬ大妖怪であるという事も少なくは無い。

 魔物達が現在の女性の身体を手に入れた際に、女体を形作る布という中途半端な身体になってしまった彼女達だが、当人達はこの身体の事をいたく気に入っているらしい。
 彼女達が言うには、薄く精の染み込みやすい布の身体は、容易く身体の全てに夫の精を染み渡らせ、文字通りに自らの全てを夫で染め上げる事ができ、いつでも幸せな気持ちに浸れるから、であるそうだ。



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