マインドフレイア

・スキュラ属 ・軟体亜人型

○生息地…洞窟、地下
○気性……好色、意地悪
○食糧……人間の精神

○地下に独自の社会を形成する、頭と下半身に触手を生やす異形の妖女。
高い知能と精神を操作する力を持ち、極めて淫猥な精神性を有する危険な魔物である。
 魔王軍の過激派とも異なる精神を持つ彼女達は、魔王の影響は受けているが、魔王の部下ではない。一説によると、はるか深海に眠る混沌の魔物に仕える種族で、地上をその眷属で満たす役割を持つとされ、獲物を求めて地上へと現れては、伴侶となる人間の男性のみならず、積極的に女性を襲い同族へと引き込むのである。

 背後から抱擁するかの様に獲物を捕え、獲物の耳に触手を潜り込ませ頭の中へ魔力と快楽信号を直接流し込み、理性や思考を溶かし啜る。獲物の脳裏は触手が頭を掻き回す水音と快楽に支配され、なすがままに喘ぎ声を漏らす事しかできないだろう。
 獲物が男性であれば無防備となった頭の中に彼女達の伴侶として相応しい淫猥な精神を植え付ける。彼女達と交わる為の存在となった男性の肉体と精神は、常態的に夫に絡みつき快楽をもたらす肉体と触手に一切の抵抗を示さなくなり、精神を溶かされ精と共に啜られる事に悦びすら感じる様になるだろう。

 一方で獲物が女性の場合、すぐ魔物に変える事はなく人間のままで解放するという。 ただし、男性や精の匂いを嗅ぐと人間であればそれだけで陶酔し、正常な思考を保てなくなる「魔物の嗅覚」だけを与えたり「性的欲望を向けられる事に悦びを覚える」魔物の価値観や「魔物化し男性と交わった」偽りの快楽の記憶を植え付けたりと、感覚や認識、価値観、記憶等の一部だけが魔物のモノに変えられてしまっているだろう。 女性は人間の身でありながら魔物の爛れた情欲を抱き、魔物の快楽を知る事となり、それは自慰であれ性交であれ人間の身体では決して満たされる事なく精神を蝕ばんでいく。脳裏に啜られる快楽と水音が度々蘇る様になり、解放されたにも関わらず、自ら彼女達の元へ再度赴く事となる。
 彼女達はそんな女性の眷属として相応しい淫猥なものへ変わりゆく精神の味を啜り愉しむと、ご褒美といわんばかりに少しだけ女性を魔物へと近づける。それを繰り返す内に、女性は自ら魔物となる事を懇願し、時として人間 のまま魔物の様に男性を襲い交わり、眷属となるに相応しい精神を持つ姿を見せようとする。
 ここまで精神を爛れさせる事により、ようやく新たな「マインドフレイア」として迎えられるのだ。

 また、彼女達は止む事の無い卑猥な水音を常に纏っている。獲物が居なければ、その触手は彼女達自身へと向けられ、伴侶との交わりをより快楽に満ちたものにするべく精神を溶かし、より爛れたものへと作り変え続けているのだ。

 彼女達が下腹部に纏うイカの様な物は、まるで別の生き物であるかの様に、しきりにうごめき、彼女達が愛おしそうに触手を撫でる事で白い粘液を放つという。「彼女達に寄り添う男性が突如イカの姿となり、触手の一本を彼女達の下腹部へ潜り込ませ、腰に纏わり付いた」姿も目撃されているが、正体を訪ねても、彼女達はただ妖しく微笑むのみである。
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