ナイトゴーント
・サキュバス属 ・悪魔型
○生息地…地下、洞窟
○気性……淡泊、従順、意地悪
○食糧……人間の男性の精
○全身が黒い膜に覆われている異様な姿の悪魔で、深淵に属する魔物の一種。
膜は彼女達の作り出す特殊な粘液が固まったもので、滴る粘液が黒い膜に妖しい光沢を与えている。
感情表現に乏しく、表情からは意志を読み取る事ができない。
何者かに仕え、基本的に主人の意思に従って行動するため、彼女達自身は何を考えているのかよくわからないが、気に入った人間に対しては空を飛んで望む場所へと運んでくれたり、逆に気に入らない人間であれば、空へと連れ去り発情期の魔物の群れの中心に落としてしまったりするそうで、感情が存在しないわけではない様だ。
普段は地下や洞窟などの暗い場所に潜んでいるが、夜になると空を飛び回り、気に入った人間の男性に襲い掛かり、組み付こうとする。
その後の行動が一風変わっており、男性を拘束してもすぐには交わろうとせず、ひたすらに愛撫を行う。
せわしなく動かされる指先が男性の身体を撫でる様子は、一見するとくすぐっている様にも見えるが、これは彼女達の身体から分泌される粘液を男性の身体に塗り込むための行為である。
顔や胸板から下腹部に至るまで、丁寧かつ執拗に塗り込まれた粘液が肉体に浸透していくにつれ愛撫がもたらす快楽は高まり、それと共にはじめは困惑や嫌悪感を見せていた男性の表情に、いやらしい笑みが浮かぶ様になっていく。
彼女達はここでようやく男性と交わろうとするが、精神までもが粘液に侵された男性はそれを拒む事はなく、また時として自分から彼女達と交わろうとする様になっている事だろう。
彼女達の肉体からもたらされる快楽は、粘液と共に男性の精神に塗り込まれ、一度それを知ってしまった男性は、湧き上がるいやらしい笑みと性欲を止める事ができず、それを常に彼女達へと向ける様になるだろう。
交わりを通して粘液が完全に肉体へと浸透した男性は、彼女達の夫として相応しい存在に変質する事となる。
悪魔の様な異形の姿を得ると共に、彼女達の様に粘液を分泌して操る事ができ、かつ彼女達の身体に触れる事で、覆っている膜を溶かす事も可能となる。
また、同族と夫以外の者には無表情に見えるという、実際には様々に変化していた彼女達の表情と感情を知る事ができる様にもなるだろう。
夫を得た彼女達は、夫の意思や性欲に依存し、それに従って思考や行動を行う様になり、概ね常に交わって過ごす事となる。
彼女達が夫をもっているかの判別は、その見た目により容易く可能である。
既婚の個体の背中には夫らしき異形が組み付き、無数の触手を彼女達に這わせ、背後から交わるかの様な姿も見られる。
加えて、彼女達の身体を覆う黒い膜は彼女達のものではなく夫の粘液であり、膜は夫の意思によって彼女達の胸部や臀部を締め付け揉みしだくかの様に脈動し、快楽と恍惚を与え続けている。
夫は人間の姿にも自由に戻る事ができるが、彼女達は常に繋がり続けて快楽により自身を支配していた夫が、人間の姿になり離れる事に不安を覚えるらしく、夫にすがりつくかの様な姿を見せるという。
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