乙姫(オトヒメ)
・ドラゴン属 ・人魚型
○生息地…ジパング地方(海)
○気性……我侭、陽気、献身的
○食糧……肉食、魚介類など。
○ジパング地方の海の底に存在する「竜宮城」を統べる魔物達の姫。
人魚としても扱われているが、海流を操り津波をも引き起こす力を持った強大な龍の一種であり、地域によっては海神として崇められている。
我侭かつ傍若無人な一方で、懐の深い大らかな性格でもあり、誰に対しても気安くお茶目な姿を見せるため、部下の魔物達からは慕われている。
享楽的な性格で、日々を愉快に過ごす事を何よりも好むほか、人を愉しませる事も好み、「竜宮城」はそこに暮らす者達が退屈せず、享楽的に暮らすための場所となっており、娯楽都市として外部にも開放され、時折、地上に使いの者を送っては人間を招待している。
竜宮城では日夜、客人を迎えての酒宴が繰り広げられ、多くの魔物が客人をもてなし、美しく舞い踊っては見惚れた男を寝室へ連れ込んでいく。
そんな酒宴の中心たる彼女達もまた優れた舞い手であり、舞い踊る姿の美しさは見た者の眼を一瞬で奪い、時が立つのを忘れさせる程である。
踊りにより表現され、誇示される彼女達の神々しく力強い龍としての姿と、天女と見紛う程に美しく優雅な女性としての姿は、否応が無しに彼女達が畏敬すべき存在である事を認識させる事だろう。
だが、そんな神秘性をも感じさせる姿とは裏腹に、彼女達自身は自らが愉しみ、そして見る者を愉しませるために踊っているだけであり、彼女達もまた、踊りを見る者達の中に目ぼしい男性が居れば、姫である立場など関係ないとでも言わんばかりに、寝室へと連れ込んでしまう。
彼女達が伴侶として求める男性は、彼女達が男性を愉しませようと自慢の竜宮城を連れ回せば存分に楽しみ、からかおうと身体に触れれば、過剰なまでに意識してしまうといった様な、彼女達の行為に最大限の反応を返す事で彼女達を退屈させない相手である。
むしろ、いかに感情が希薄で反応が薄い男性であろうと、生物として、雌として強い魅力を持つ彼女達と共に過ごす内に、その一挙一動に欲情し、男性を愉しませ様とする奉仕とも言える様な彼女達との交わりに精を放つ事で最大限の反応を返すという、彼女達にとって理想的な夫へと変わって行く事となるだろう。
竜宮城を訪れた男性の多くが、魔物の伴侶として共に暮らす事を選ぶ事となるが、中には地上へと戻ろうとする者もおり、そういった男性には「玉手箱」と呼ばれるお土産が手渡される。
乙姫の妖術が込められたその箱を開けると、中から魔力の煙が溢れて男性を包み込み、幻影を見せて竜宮城での極楽の様な日々を追体験する事ができる。
更には追体験のみならず、その際の訪問では味わえなかった竜宮城における他の楽しみ方を見せたり、強く男性を気に入った魔物が居る場合、まだ味わっていないはずの、魔物と交わる事の快楽を疑似体験させる事もあるという。
これにより、男性は日常生活と竜宮城での極楽の様な日々の差異に老け込み、再び竜宮城を訪れる事を切望する様になり、程なくして男性の元には再び竜宮城から迎えの者が現れる事だろう。
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