オウルメイジ
・ハーピー属 ・鳥人型
○生息地…森林
○気性……冷静、温厚
○食糧……肉食、小動物など。
深く暗い森の奥に生息する夜行性のハーピーの一種で、極めて高い知能と知識を備える事から「森の賢者」とも称されている。
ハーピー属の中では中型の体躯を持ち、肉付きが良く羽毛の量も多いため飛行能力には劣るものの、その羽毛にはふんだんに魔力が蓄えられ、それを用いて魔法を操る事に長けている。
特徴である爛々と輝く大きな眼は、夜の闇の中での視界に優れている。
それに加え、相手と目を合わせる事で魔法をかける事ができる「魔眼」となっており、彼女達と見つめ合った者は頭の中がぼんやりとして何も考えられなくなってしまったり、方向感覚を失い彼女達の方へふらふらと引き寄せられてしまうのだという。
だが、彼女達は思慮深く穏やかな性格であり、普段は森の中でじっとしている事が多い。
仮に男性が森の中で彼女達と出会ったとしても、平常時であれば理性的なやり取りが可能で、博識な彼女達の持つ知識の一部を教えて貰う事もできるだろう。
ただし、ハーピーの一種である彼女達には、例に漏れず発情期が存在する。
発情期に入ると繁殖相手となる人間の男性を強く求める様になるが、それにより我を忘れたり、凶暴性が増す様な事はない。
だがそれは即ち、繁殖欲求を満たすための行動を第一としながらも、それが平常時と同様に冷静かつ思慮深く行われるという事であり、獲物となる男性にとってはより恐ろしい狩人となるのだ。
狩りは夜の闇に紛れて行われ、輝く双眸が獲物をじっと見つめる姿は不気味な印象と不吉な予感を感じさせる事だろう。
男性が先の見えぬ暗い森の中で、ふと灯った光に目を向けてしまえば、それは彼女達の魔眼であり、その一瞬で魔法をかけられてしまう事となる。
また、彼女達は羽毛に宿る魔力により音を立てずに飛ぶ事が可能で、飛来する彼女達に気付く事すらなく組み伏せられた男性は、自身を見下ろす情欲の光を湛えた魔眼と見つめ合ってしまう事となるだろう。
この様に夜の暗闇は彼女達の独壇場であり、その中で輝く一対の瞳からは決して逃れられず、獲物が感じる不吉な予感の通り、彼女達と交わる運命から逃れる事はできないのだ。
一般的にハーピーの多くは活動的な生態故か動きの激しい交わりを好む傾向があるが、その一方で彼女達は普段からじっと静かに過ごす生態故か、夜にはじっくりと長い時間をかけて夫との交わりを愉しみ、昼間はふかふかの羽毛で夫の身体を抱いて互いに触れ合い、肌を重ね合ったまま静かに時を過ごしたり、そのまま眠るといった生活を好む。
また、彼女達は夫婦で性交を行う間や寄り添って過ごす間、眼を逸らす事無く夫の姿をじっと見つめ続ける習性を持つ。
狩りの最中では獲物に不気味さを感じさせたこの双眸だが、愛おしさ故に夫から眼を離せず、夫だけを見続けるこの双眸は、彼女達の夫にとってはたまらなく愛らしく思えるものなのだという。
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