サテュロス

・サテュロス属 ・獣人型

○生息地…森林、草原
○気性……陽気、好色
○食糧……雑食、ワインとそれに合う食料を好む

○山羊の特徴を持ち、酒の神「バッカス」を信仰する獣人の一種。
 バッカスの教えである「酒に酔い、全てをさらけ出した状態こそが、その者の本来の姿であり、あるべき姿である」の通り、酒と音楽を愛する奔放かつ享楽的な性格で、ワインを飲みながら、笛を吹いて日々を過ごす遊び人である。
 社交的かつ人間に対して友好的であり、人間を見かければ、しばしば酒を飲み交わそうと誘う事だろう。
 だが、その実、極めて好色かつ男好きな魔物でもあり、基本的に人間を性的な目で見ており、気に入った男性を酒に酔わせて交わろうと狙っているのだ。

 酒の神の加護を受けた彼女達の笛の音は、その音色を聴いた者を、まるで上質のワインに酔ったかの様な、うっとりと心地良い陶酔へと誘う力を持つ。
 酒を飲ませた相手に彼女達が笛の演奏を披露すれば、どんな酒豪であっても、気持ち良く酩酊状態へと陥ってしまう事となる。
 そして、話術に長けた軟派師である彼女達は、言葉巧みに囁く甘い言葉や、ワインの様な香りと味の口付けで、男性の心を彼女達に酔わせて魅了し、交わりへと誘う。
 男性はまるで恋に堕ちた生娘の様に、笛の音と共に愛を囁く彼女達に陶酔し、夢心地のまま彼女達に抱かれる事となる。
 彼女達との交わりは、優しく導く様な、それでいてその身を溶かしてしまうかの様な甘い快楽を伴う。そんな忘れられぬ一夜を過ごした男性は、酒の酔いから醒めるとも、彼女達への酔いが醒める事は無いだろう。
 多くの男性が、そのまま彼女達の伴侶として可愛がられ、ワインと彼女達の肉体に溺れる甘く享楽的な日々を過ごす事になるのだ。
 また、彼女達は男性のみならず、人間の女性にも手を出す事があり、男性の場合と同様に酒と笛の音、そして甘い言葉に酔わせて夢心地にし、交わりへと誘い込む。
彼女達の手にかかった女性は、もれなく酒と色の味を教え込まれ、どんな淑女であっても内に秘める性と快楽に対する奔放な素養を開花させられてしまう事だろう。
 酒と性に酔い痴れる快楽を知った女性は、そのままバッカスの信徒となる者が多く、中にはバッカスの加護を受けて「サテュロス」へと変わる者もおり、酒と伴侶に溺れて奔放に生きる様になるのだという。

 彼女達は飲むだけではなく、より良いワインの開発にも余念がない。
彼女達の作る「サテュロスワイン」は、彼女達の奏でる笛の音と同じ様に、決して悪酔いする事なく、必ず心地の良い酩酊をもたらす最上質のワインの一つである。
 また、想い合う男女が共に飲めば、その酩酊により、互いの愛情と肉欲が包み隠さず露わとなって、必ず一線を越えて結ばれるといわれており、魔物達にも人気が高い。


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