ウェンディゴ

・ウェンディゴ属・獣人型

○生息地…雪原地帯・雪山
○気性……穏やか、臆病、献身的
○食糧……肉食、野生生物など。

○吹雪に隠された集落で暮らす奇妙な生態を持つ獣人の一種。
未婚と既婚の個体では大きく姿が異なり、未婚の個体は全身を完全に覆い隠す外套を纏う少女の姿で、その中を伺う事はできない。
 吹雪の中、雪山を彷徨う旅人の背後をついて回る。姿を隠す術に長け、旅人に気配だけを悟らせるが、急いで振り向いても姿を見る事はできずしばらくすると消え入りそうな声で旅人に語り掛ける。
その行動は旅人に不気味な印象を与えるが、彼女達自身は極めて温厚かつ親切な種族で、遭難した者を見つけると心配になり後をついてきてしまうのだ。
 だが、控えめで恥ずかしがりな性格でもあるため、あまり人前には出たがらず、気配と声だけで雪山の出口まで案内しようとするのである。彼女達の気配を感じたならば、その言葉に耳を傾ければ必ず無事に雪山を抜ける事ができるだろう。
 一方で不気味がって案内されている事すらも気付かず行き倒れてしまう者も多く、その場合は吹雪から身を隠せる洞窟等の安全な場所へ運ばれ、彼女達の手厚く献身的な介抱を受ける事となる。

 その際、旅人は初めて彼女達の姿を見る事となる。
外套越しとはいえ、浮かび上がる少女の身体の曲線や旅人を気遣う可愛らしい声は、男性であれば外套の奥に期待を抱き、暴きたくなる事も無理はない。
 だが、中を覗いてしまえば、無事に人間の世界に戻る事はできなくなるだろう。
 ある男性は彼女達の素顔と身体を目にした途端に正気を失い、獣の様な声をあげて彼女達に覆いかぶさると、湯気が立つ程に熱く膨張した男性器を突き挿れ犯し始めたという。
その後、男性はぐったりした彼女達を抱え、彼女達の集落のある雪山の奥へと消えてしまったらしい。
 また、彼女達が姿を隠せるのは吹雪の雪山に限られ、無事に雪山を抜けた際に後ろを向けば、
その姿を確認する事ができる。その際、恩人の顔を一目見ようとしたために、再び雪山へと戻る事となる者も少なくは無い。

 無事に雪山を出た者にも、しばらくして異変が起こる事があるという。
 何かが足りない様な気分の落ち込みと不安感を覚え肉欲が著しく高まっていく。
やがて少女が自分を呼ぶ声が聴こえ始め、異常な程の熱が常に下腹部に集まる様になり、吹雪の中でも平気で活動できる様になる。
 そうして男性は「外套の隙間からちらりと見えた白い肌」の持ち主であ る少女を自らのモノとするため、少女の声に従い雪山へと向かうのだ。

 既婚の個体は挿絵の様な、身体より遥かに大きな外套を纏った不自然なまでに奥の見えない闇の中に、隠すどころか見せつけるかの様に少女の姿だけが浮かび上がっている。
 未婚の個体とは一転して吹雪の中で目撃され、その姿から恐ろしげな雪男であると誤認される事も多いが、直接的に人に害を加える事は無い。
 闇の奥は極限まで集中し眼を凝らせば、おぼろげながらに見る事ができるが、もし、闇に潜む者の正体と、それが少女と何をしているのかを認識してしまった場合、その光景が脳裏に焼き付き、人間としての正気を保つ事ができなくなってしまうという。  
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