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| 生息地 |
荒野 |
| 気性 |
真面目、献身的、感情表現に乏しい |
| 食糧 |
雑食、なんでも食べる。 |
アバドンという種の兵士階級で、「アバドン」率いる大群の大多数を占める魔物。「兵蟲」とも呼ばれる。
アバドンと共に獲物となる大量の人間の男性を求めて村や街に飛来する。おびただしい数の兵蟲が空を埋め尽くす様子は、かつての時代では世界を滅ぼしかねない大災害として扱われていた。
彼女達はアバドンが統率に使うフェロモンから、細かな意図や指示などを読み取る事ができる。
これにより群れでの一糸乱れぬ飛行や、言葉等で意思疎通を行わずともその場で仲間と連携をとる事が可能となっている。
その体躯はアバドンより遙かに小柄なものの、四本二対の腕は一匹でも獲物の男性を容易く組み伏せ、それが統率の取れた動きで襲い掛かってくるのだから獲物はひとたまりもない。

彼女達は種族の頂点である魔王蟲「アバドンクイーン」や自身を率いるアバドンの意思、ひいては群れ全体の意思に極めて忠実である。
群れの一員として与えられた役割をただ淡々とこなす様子は、どこか感情に乏しく、自我も希薄である様にすら感じられる。
アバドンの群れは「仔で世界を満たす」という魔王蟲の意思を元に動いているのだとされ、その尖兵である彼女達にもアバドンと同様に種族の「生態」として無尽蔵の食欲。即ち強い愛欲と繁殖欲が備わっている。
つまるところ、彼女達にとって群れの一員としてこなすべき最も重要な役割は、その欲求のままに手に入れた夫を貪り、ひたすらに繁殖を繰り返す事なのである。

また、種族や群れの意思以外にも、彼女達が行動の指針とするものがある。
フェロモンを読み取る力に長けている彼女達は、なんと人間の男性から漂うフェロモンをも細かく読み取る事ができる。
それにより夫の性欲や繁殖欲の高まりを察知すると、まるでそれに従うかの様に繁殖を行おうとするのだ。
彼女達にとってそれは行動を決める際の極めて強い指針であるらしく、種族や群れの意思より優先される事も多い。
なお、アバドンはひたすらに繁殖行為に耽る生活を好む傾向があるのだが、
一方の彼女達は種族柄の献身性ゆえか、複数個体で一人の男性を襲って共有することもあるためか、手や口を使っての繁殖以外の性的な行為を織り交ぜた生活を好む傾向がある。
夫が性欲もてあます状態を許さないかの様に、フェロモンで察知したそれを手や口で速やかに処理する行動は、献身的でありながらもまるで獲物の性欲と射精を管理しているかの様でもある。
アバドン属にとっての繁殖がそうである様に、やはりこれも彼女達の種にとっては平常的に行われるもので、夫と会話を行っている最中であっても性欲を察知すれば平気で男性器に手が這わされ、事務的な会話をしながら性処理が行われるという状況もしばしば。

なお、彼女達も身体からフェロモンを放つことができる。
兵蟲である彼女達のフェロモンが影響を与える範囲は狭く、近くの個体との情報共有が行える程度であるが、男性に対して生殖本能を刺激するために使われる場合の威力はアバドンのものと相違ない。
彼女達は夫のフェロモンから「夫が性欲を抱いていない状態」であることを察すると、速やかにフェロモンを浴びせかけ生殖本能を刺激し、夫を常に自分との繁殖が可能な状態に維持しようとする。
彼女達はたしかに群れの意思に忠実であり、たしかに夫の欲望にも忠実である。だが結局のところ彼女達が最も忠実に従っているのは自身の愛欲であり、それこそが個体としての思考と行動を決定づけている彼女達の自我なのだろう。
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